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茨の道 その14

2010/09/23 Thu

「自分のルールにそれなりにきちんと従っています、損切りもちゃんとできています。損小利大もそれなりに出来ているつもりです。勝率もそんなに悪くありません。しかし、勝ち切れないんです。勝ってはいるんですが、どうしてか終わってみればトータルとして大して勝てていないんです。」

 
前にこう書いて、処方箋を次回、ということにしていたと思います。
 
これを書いてから、色々と考えてみて、事はそう単純ではない、ということに気がつきました。
これが解決できれば、もうそうれは利益が出る、ということなんですから、簡単ではありません。
 
しかし、大きなポイントはありますので、そこに触れておこうと思います。
 
 
まず、「勝てない」ということ。
多くの初心者が思うのは、
 
負けない = 勝てる
 
ということだと思います。
しかし、これは全く違います。ここの誤解がまずあります。
 
実際には、負けないようになってからが非常に長い、ということなんです。
 
 
さて、トレードを始める前に「自分ならどうにかなりそうだ」「本を何冊か読んでいると、結構簡単に儲かるのではないか」と感じて、それでトレードを始められるのだと思います。
 
しかし、売買を実践されてすぐに気がつくのは、利益を出すことが実は非常に大変なことだ、ということでしょう。
最初は、偶然に利益が出るかもしれませんが、一度、大きな損を出してしまうと、臆病になってしまって、なかなか手が出ない。
 
また、本にはいとも簡単にここで買ってここで売ればいい、と書いてありますが、実際にやってみるとそんなに簡単なものじゃない、とすぐに気がつきます。
特に、順張り系の売買では、入った途端に反対方向に行って、あっという間に損失が膨らむ、ということを何度も経験させられて嫌になる、ということが続きます。
 
 
まあ、こういうことで試行錯誤続けていて、結局どうなるかというと、損益のパターンが一定の形を描くようになります。
それが、初心者の基本でもある
 
コツコツドカン
 
です。これが基本パターンになります。
 
素早く利食いするコツコツの中で、損切りができないので、最後の最後に相場から追い詰められて、どうしようもなくなって、切らされる、というドカン、この繰り返しが起こります。これは心理的に相場から追い詰められてそうなるのです。
 
自分がこの基本に忠実なパターンを見事にやっている、とわかった人は、次のステージを模索します。
 
色々と勉強して、売買手法、売買戦略を学ぶと同時に、損切りについても勉強することになります。どんな本にでも書いてあることです。
 
よほど本が読めない人、全く勉強をしない人以外は、どうやら、自分がコツコツドカンをやらかしているのは、損切りができていないせいだ、と気がつくわけです。
 
そこで考えて、ルールに基づいてきちんと損切りしよう、ということを実践し始めます。
 
 
ここでどうなるか、というと、確かにドカンはなくなります。しかし、いかんせんコツコツは何ら解消せず、のままです。
 
そして、損切りが入るために、コツコツのパターンに変化が生じて、コツコツ利益になるものの、コツコツ損失を出す、の繰り返しが訪れます。
 
負けないトレードにはなったものの、コツコツコツコツのパターンになってしまって「コツコツ利食い、コツコツ損切り」の繰り返しで、結局は「負けないが勝てない」という何ともどうしたらいいのか、の状態が訪れるパターンにはまります。意外とこの段階の人は多いようです。
 
 
損切りは難しい、と言われますが、これはその気になれば、簡単にできることです。
要するに、どこかで切ればいいのですし、やればいいだけです。
心理的に、感覚的にやりたくない、ということだけです。
理論上、切ることは簡単です。
 
これを克服した段階の人は、自分はやることをやっている、相当努力している、と感じておられるかもしれませんが、しかし、ここはまだ、切ることができるようになった、というだけの段階です。
 
実は、損切りさえ覚えれば、コツコツドカンからはおさらばできるのですから、この最も初期の段階から抜け出すのは、実は容易いことです。
 
 
平たく言えば、
 
「コツコツ(利益)ドカン(損失)」 が 「コツコツ(利益)コツコツ(損失)」
 
に変化しただけ、とも言えます。
 
 
やっと入り口に立った、という段階です。
実は、長いのはここからです。いわゆる「負けない投資家」から「勝てる投資家」への道は長い、ということになります。
 
 
ここで、多くの人が辿る道が、
 
手法が悪いから利益が出ないのだ
 
という方向へ行くのは極自然な成り行きでしょう。
 
これは、男女が一夜を共にすれば営みが起こる、のと同じぐらい自然の成り行きです。
 
 
 
 
しかし、ここで考えてみてください。
手法が根本原因なんでしょうか。
前にも書きましたが、裁量で儲けている人とて、そんなに難しい道具(手法)を使っている人は多くはありませんし、投資本を数冊読めばわかるようなこと、そこらへんの本に書いてあるようなトレードしかやっていないのが普通です。

どこかで、道具の違いではなく、考え方の違いだ と気がつくべきですが、ここに気がつくにはやはり時間がかかります。経験が必要です。それまでは、しばらく道具さがし(手法ジプシー)が続くのも仕方がありません。 
 
また、手法じゃないところが理解できないから手法に頼るのだ、予想じゃないといわれてもそれ以外の方法を思いつかないから予想にたよるのだ、という話もよく聞きます。
 
 
そこで、道具に頼らない、そうではない考え方とは、という話を進めようと思います。
 
先程のコツコツドカンに戻って、ここにヒントが無いのか、考えてみます。
コツコツコツコツではダメだ、ということでしたが、それでは、この変化がどうなれば、利益が残るようになるのか、考えてみましょう。
 
理屈上2パターンがあることがわかります。
 
①コツコツコツ(利益)コツ(損失)
 つまり、勝率をアップさせるということです。
 
②ドカン(利益)コツコツ(損失)
 つまりホームランを打つことを考えるということです。
 
 
できれば、両方共欲しいところです。ドカンドカン(利益)コツ(損失)・・・これが理想ではありますが、残念ながら現実は難しいです。その理由も後で書きます。
 
では、一旦どちらかに重点を置くことを考えてみましょう。
ここは思案のしどころです。
イチローでいくべきか、松井でいくべきか
(といってもイチローとて3割が打率だということもお忘れなく)
 
多くの人が辿る道が、実は①の勝率アップの道なんです。
そもそも全トレードで勝とうとする。勝たねばいけないのだ、と考えてトレードする。とにかく勝つ、ということで手法、戦略の基本がある、といってもいいでしょう。
どのぐらいの割合で勝てるのか、というのは心理的とても重要視されることです。
 
 
①と②、そもそもは、どちらも好き好きで選択すればいい、ということなんですが、どう判断すればいいんでしょうか。
 
結果として利益を出している人にどちらのタイプが多いのか、という情報はこの判断の参考になると思います。
 
私の周りのトレーダーに関してですが、特に順張り系のトレーダーにおいては、①のコツコツ利益を貯めるという勝率系トレーダーというのは実は一人もいません。
 
これを順張りで目指すというのは、かなりの茨の道だということを覚悟しておく必要があるでしょう。前人未踏の荒野を進まねばならないわけです。
そもそもこの入口からしてズレてはいませんか。
 
逆張り系の人では、特に超短期であれば①のタイプの人もいます。しかし、②のタイプの人がやはり多いのかもしれません。
 
 
そもそも、何故、このようにタイプ分けするのか。
そんなことを言わないでも、コツコツの延長線上にドカンもあるんではないか。
目の前のそれぞれのトレードに勝つために全力を尽くせばいいんじゃないか。

 
という疑問があるでしょう。
普通の感性です。
 
 
ところが、こうやってタイプを分けた理由は、コツコツ利益の延長には、ドカン利益を出すのは困難である、ということがあるんです。
つまり、①の延長線上に②は難しい、ということを理解しておく必要があるということなんです。
ここがポイントなんです。
 
これは、毎回塁に出ようとして、バントヒットや内野安打を狙って、バットを短く持って当てていくようなバッティングをしている人には、永遠にホームランは打てない、ということと同じです。
 
 
この理屈は、ちょっと考えればわかることです。
 
コツコツ利食いをすれば、必ずその中にあるホームランの芽を摘むことになります。
最初からその芽が雑草なのか、大木の芽なのか、わかればいいんですが、それは簡単ではありません。
全部を刈ってしまえば、結局大木の芽も同時に刈ることになります。
 
全ての勝負を勝ちに行くが故に、シングルヒットしか打てない
 
 
これは、麻雀で、とにかく上がりを狙って、どんな手でもいいから上がるだけの勝負をしているのと同じです。
 
競馬で言えば、複勝5点買い、のようなものです。複勝5点買いでは、最初からホームランの芽はありません。
当たる確率は非常に高いでしょうが、この勝負では、ジリ貧になるだけでしょう。
 
同じ5点勝負でも、3連単5点買いとは、最初から勝負のやりかたが違うのです。
 
 
最初から勝負のやり方が違う
 
これがポイントです。
 
 
全てのトレードを勝ちに行けば、必然的にそこにはコツコツしか残りません。
 
そこのところを理解しておくべきです。
 
 
 
 
トレードとて、所詮は勝負事です。
自分がどういう勝負を挑んでいるのか、理解してやっておられる方は多くはありません。
 
全ての勝負を勝ちに行く
 
これは、予想さえできれば勝てるはずだ、という道から派生するものですが、今回書いたことは、そもそも、その当てるという道以外にどうすればいいのか、ということの答えでもあるのです。
 
要するに当てりゃあいいんだろ、当てりゃあ
 
という皆さん。今回の記事もあまり皆さんにはピンとは来なかったと思います。
 
何故なら、私のブログは、
「当てることを諦めた人」
「当てようと努力したがどうしたって当たらないこと気がついて成仏した人」
「当てることを観念し、それ以外にどうすればいいのかを探している人」

専用ブログであり、少なくとも
「当てることについて疑問を持ち始めた人」
が立ち寄る庵だからです。
 
当てることを諦めた人が、ではどうしたらいいのかを探る庵です。
 
 
「相場は当てて取るものだ」「相場の予測は可能だ」という目をギラギラさせた現役バリバリの人に対して、私から「そんなことはダメた」というような大それたことを言うつもりは今ではありません。
 
むしろ現役で相場を当てようと努力しておられる皆さんには、その大望に敬意を表して、是非頑張って精進してください、とエールを送りたいぐらいです。
 
私は、当てることを諦めて、成仏した人です。相場を当てることは自分には無理だと断念しました。ですから、当て屋道においては、敗北者なんです。
 
相場を予測するな、とは言っていませんよ。単に私は相場を当てることを諦めた、と言っているんです。
全然違います。
  
 
相場を当てること、相場を当てて取ること、これはどこまで行っても相場に関わった人たちが持つ永遠の夢でしょう。
 
相場を当てて取ることは、私にはできなかった見果てぬでもあるのです。
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あらなみ

Author:あらなみ
職業:個別株投機家・専業デイトレーダー

Twitter:
@aranami718

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あらなみのトレード水先案内人

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